この事例の依頼主
50代
相談前の状況
依頼者は司法書士で、その司法書士が成年後見を務めている男性についての依頼でした。その男性は、50台ですが、肥満を解消したいと思い、某美容整形クリニックの脂肪吸引を受けることにしました。しかし、脂肪吸引を受けたのち、意識不明の状態になってしまい、これが続いたことから、司法書士が成年後見人に就任しました。
解決への流れ
脂肪吸引は、体幹部の麻酔も伴い、危険な施術です。なぜ意識不明の状態に陥ったのか、情報を集め、某美容整形クリニックの過失をおおまかに特定し、内容証明郵便を送って交渉をしました。賠償額があまり上がらなければ、早々に裁判を起こそうかと思っていたのですが、某美容整形クリニックは、裁判がマスコミで取り上げられる等して信用に傷がつくのをおそれたのか、約9600万円の示談に応じました。
この事件は、裁判までいかずに高額の賠償金を獲得できた事例です。実は、私の経験上、いい結果がでるのは、裁判よりも示談の方が多いと思います。いったん裁判になると、被告もありとあらゆる手を使って争ってきます。しかし、示談交渉だと、裁判にされるのを避けるためにお金を払う、というモチベーションがあります。そのモチベーション、逆に言えば裁判になったときのリスクを刺激しながら、上手に駆け引きします。なお、病院側の弁護士は医療事件に慣れているから医療に関する知識と経験が豊富だとよく言われますが、この事件の弁護士は大したことはなかったです。