この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
依頼者(被害者)が車両で走行中、前方不注意の後続車から追突された事案でした。当初医師からは頸椎捻挫(いわゆるムチウチ)などと診断されましたが、その症状は年々悪化し、何年もの間、いくつもの病院を転々としながら入退院を繰り返されている方でした。その間に、加害者から「症状固定時から3年経っている」などとして、もはや賠償義務がないことを主張する裁判(債務不存在確認訴訟といいます)を逆に起こされてしまったところで受任した事案です。
解決への流れ
事故から数年後に、一つの病院で可能性の高い病名の診断を受けましたが、医学界でも比較的近年に議論が出てきた病名で、訴訟の場面でも正面から認められるケースがほとんどないという難しいものでした。訴訟は控訴審まで争い、残念ながら上記の病気と事故との因果関係を認めてもらうことはできませんでしたが、加害者側の時効主張を退け、約980万円の認容判決を得た事案です。
長い間、事故を原因とした病気に苦しめられ、非常に気の毒な被害者の方でした。受任から終了まで約3年間にわたり、常に依頼者の方の心情に寄り添う姿勢だけは忘れずに事件処理に当たりました。