この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
病院の内勤の医師として雇用されていた医師に対し,勤務先の医療法人から,系列介護施設での訪問診療への配置転換が命じられた。単なる勤務場所・業務内容の変更のみならず,夜間のオンコール業務まで課されることとなり非番日のバイト等にも支障が出ることから,受け入れがたい。
解決への流れ
配置転換命令の基準日に間に合うように,病院内勤医の地位にあることについて仮の地位の確認を求める仮処分を申し立てた。申し立てと審理(審尋)を受けて,病院側が妥協し,訪問診療医への配置転換を回避した。
配置転換の効力発生日までの時間的制約がある中で,特にオンコール業務による不利益を厚く論じたことで,裁判所や相手方を説得することができました。スピーディーに申立書を作成・提出できたのはもともと有していた病院法務の知識を活かせた結果ですが,個別の業種における具体的な労働慣行をしっかりと理解して主張することが説得の強い道具になった点は,全ての労働事件に共通する教訓です。