この事例の依頼主
女性
相談前の状況
日本に在住する外国人妻から,同国籍の夫が長期間にわたって不貞行為を行っており,現在別居中であること,同夫には外国に多額の財産があるはずであるから,離婚,慰謝料,財産分与等の請求をしたいとの相談を受けました。
解決への流れ
最終的に判決で勝訴しても,外国にある財産を強制執行することができないことから,最低限,夫名義の日本にある財産相当額は回収できるよう,まず,慰謝料請求権・財産分与請求権を保全するための不動産仮差押命令申立てを行い,約4500万円相当の夫名義の不動産(日本にある財産全て)の仮差押が認められました。その後,離婚調停,離婚訴訟を経て,最終的に,解決金9000万円の支払いを受けるとの和解離婚が成立し,同金額の支払いを受けました。
外国人同士の離婚であるため,準拠法の問題があり,また,外国にある夫名義の財産を完全に調査し尽くすことは相当困難であったため,解決までに時間がかかりましたが,外国にある夫名義の財産を一定程度立証できたこと,準拠法となる外国法に関する解釈・運用等を詳細に主張・立証することにより,最終的には,仮差押済みの日本にある財産額の約倍額の支払いを受ける内容で,和解を成立させることができました。