この事例の依頼主
男性
相談前の状況
母が亡くなったため,その子から,相続人(父,子)の間で遺産分割協議書を作成したいが,他の相続人として,母には外国籍の前夫との間の子(外国籍)がおり,現在の所在は分からないとの相談を受けました。
解決への流れ
まずは,相続人調査という内容で依頼を受け,前夫との子の前住所は判明していたことから,大使館にも相談しました。当然,大使館が本人の所在等を登録していて把握できたとしても,情報を開示してもらえるわけはありませんが,大使館に対する事情説明・協力願いの手紙,本人宛の手紙を大使館に託すなどした結果,前夫との子本人から連絡をいただくことができました。その後,依頼者様からは遺産分割協議について依頼を受け,その子を含む全相続人の間で遺産分割協議書を締結することができました。
前夫と今回の被相続人である母は,前夫との子が幼いときに離婚し,子は被相続人と何十年も会っていないという状態で,依頼者様ら異父兄弟達には一度も会ったことがないという状態でした。しかし,今回所在が判明し,遺産分割協議書の作成にご協力いただいたことにより,前夫との子からは,被相続人母のお墓参りをしたいので墓地の場所を教えて欲しいというご連絡をいただいたり,その後,私から,被相続人の一周忌の連絡を差し上げたりもしました。依頼者様にとってよい結果になっただけではなく,相手方ともいえる前夫との子にとっても,幼いころからの母に対する複雑な思いが何か少しでも変わったのではないかと感じました。