この事例の依頼主
男性
相談前の状況
依頼者様は、「自動車を運転中に、自転車と衝突してしまった」ということで相談に来られました。自転車は、法律上、軽車両に該当しますが、過失の判断にあたっては、バイクと歩行者の中間に位置づけられています。そのため、自動車を運転していた側に過失が多く認められる傾向があります。本件でも、依頼者様は、相手方から、過失割合3:7(依頼者様が7割)の主張がなされていました。依頼者様は、自分は低速で走行しており、自転車が自分の車に衝突してきたのであるから相手方の主張には納得できないとして、裁判を起こすことになりました。(※個人の特定を避けるため、一部事例を変更しています。)
解決への流れ
現場が事務所に近かったこともあり、私は2回、事故現場を訪れました。その結果、相手方の主張に矛盾点があることが分かり、依頼者様の主張が正しいと確信しました。私は、依頼者の主張を裏付ける証拠を多数作成し、裁判所に提出しました。その結果、裁判所は、相手方の過失が9割以上であると判断せざるを得ないとの考えを示し、相手方の主張していた過失割合3:7ではなく、過失割合9:1(依頼者様が1割)に沿った内容での和解が成立しました。
交通事故は、その事件の多さから、大量処理の必要があり、数々の基準を前提に実務が動いています。しかし、実際に起きる事件は、その事件ごとに、事件の内容が異なっています。私は、今回の事例では、現場を2回訪れ、依頼者様から何度も話を聞くことで、実際に起きた事故を正確に裁判所に伝えるよう努力しました。その結果、実務で示されていた過失割合の基準以上の成果を獲得することができました。