この事例の依頼主
60代 女性
相談前の状況
相談者は、股関節痛のため歩行に困難をきたしたため、A病院で股関節の外科手術(以下、本件手術という)を受けた。手術直後より大腿神経麻痺が生じた。A病院の担当医師は、大腿神経麻痺から回復するためには少なくとも一年以上はかかると言われた。その言葉を信じ患者は、数年待ったが治らなかった。他の病院でみてもらったところ、大腿神経麻痺が生じてから長期間経過しているので回復することは困難と言われた。
解決への流れ
相談者から依頼を受け、調査を開始し、質問状を送った。質問状の内容は主として「①相談者に生じた大腿神経麻痺は本件手術によるものではないか。②大腿神経麻痺が生じた後、速やかに治療を行っていれば大腿神経麻痺から回復できたのではないか。」というものであった。それに対する相手方の回答は、「手術の際に異常はなく、大腿神経麻痺の原因はほかの原因と考えられる。」というものであった。この相手方の主張に対して、当方の協力医より貴重なご意見をいただき、提訴前に交渉を行ったが解決に至らず、提訴後数千万円で和解した。
この事件では協力医から、非常に貴重なご意見をいただきました。手術前と手術後のMRI画像を比較すれば手術により骨盤の損傷が起きたことが確認でき、その近くを通っている大腿神経が損傷を受けたことも推認できること、神経修復の時期は早ければ早いほど良いというものでした。参考となる貴重な文献もいただきました。そのご意見、文献をもとに主張を行い裁判所より納得できる和解案をいただくことができ解決できました。