犯罪・刑事事件の解決事例
#遺産分割

被相続人が生前に相続人の一人になした不動産の贈与の有効性を争い、当該不動産は遺産に属することを認めさせた事案(遺産確認請求事件)

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石塚 政人 弁護士が解決
所属事務所石塚総合法律事務所
所在地千葉県 柏市

この事例の依頼主

40代 女性

相談前の状況

ご依頼者様は母親(被相続人)の遺産について遺産分割をしたいと相談に来られました。相談をすると、被相続人が亡くなる3か月前に相続人の一人に不動産を贈与していることがわかりました。被相続人の財産の内で高額なものは当該不動産のみで、その他には小額の預貯金があるだけでした。

解決への流れ

遺産分割協議の中で不動産の贈与を特別受益(相続の前渡し)と捉えて処理することも考えられました。しかし、被相続人の財産の内で高額なものは当該不動産のみで、その他には小額の預貯金があるだけであったため、特別受益を主張してもご依頼者様は小額の預貯金を取得するだけという結果になります。そのため、当職は特別受益として処理することは最善とはいえないと考えました。そして、ご依頼者様の話やその後の調査から、被相続人の意思に基づいて贈与されたといえるのか疑問を持ちました。つまり、贈与当時の被相続人の認識能力では、当該贈与を行う能力はなかったのではないか、そうであれば当該贈与は無効といえるのではないかと考えたのです。そこで、当職はご依頼者様に、生前贈与は無効であるため当該不動産は遺産に含まれるということを内容とした、遺産確認請求訴訟を提起することを提案しました。ご依頼者様は当職の提案を受け入れられ、遺産確認請求訴訟を提起することになりました。

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石塚 政人 弁護士からのコメント

遺産確認請求訴訟はハードルの高い訴訟です。なんといっても、当事者である被相続人は死亡しているため、被相続人の話を聞いたり、その能力を調査したりすることはできないからです。当職は、ご依頼者様に遺産確認請求訴訟は困難な訴訟であることを説明し、ご依頼者様に納得してもらったうえで同訴訟を提起することにしました。訴訟においては、被相続人の認知能力がなかったことを示す各証拠や間接事実を主張しました。その結果、当該贈与が無効とされ、当該不動産は遺産に含まれることを認めてもらえました。ご依頼者様は、当初は遺産分割によって小額の預貯金しか取得できないと思っていたのに、高額の不動産を含めて遺産分割をすることができることになったことに大変喜ばれておりました。当職も、難易度の高い訴訟を提起して結果を出し、ご依頼者様に満足してもらえて大変嬉しく思いました。ありがとうございました。