この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
離婚後、お子様を監護していた御依頼者様でしたが、元配偶者から定期的なお子様との面会交流を求めて調停を申し立てられました。元配偶者に子供を会わせる機会は以前にもあったようですが、その際に元配偶者が御依頼者様に対してなお恋愛感情を有するような仕草をしたり、手紙を渡したりといったことがあり、そのような感情はもはや一切なくなっていた御依頼者様としては、元配偶者と会わざるを得ない面会交流調停に消極的とならざるを得ない状況にありました。元配偶者から、家庭裁判所に面会交流調停を申し立てられて既に何回か期日を過ごされてから御相談にいらっしゃいました。
解決への流れ
途中から面会交流調停に代理人として関与することになり、参加したわけですが、最初から調停に参加していた御依頼者様から、(代理人が参加して)明らかに調停委員の態度が変わったとおっしゃっていました。面会交流調停の申立人であった元配偶者の方がお子様との面会交流に強く執着していたこともあり、粘り強く交渉をした結果として、面会交流調停の条件について申立人側が大幅に譲歩する形で、御依頼者様の御要望をほぼ取り込む形での和解が成立しました。具体的には、交流中に定期的(2時間おき)に子供の様子を写真で送ることや、面会交流の際子供を受け渡す際に不用意な発言等は一切しないことなどを和解案に盛り込んでもらいました。また宿泊を伴う交流については、すぐには認めず、今後1年間の面会交流実施状況を見て、再度話し合って決めるという内容で決着しました。御依頼者様が不安に感じていた全てについてフォローする内容の和解が成立したことで、御依頼者様は大変満足されていました。
家庭裁判所における調停手続では、基本的に調停委員2名との口頭でのやりとりを、申立人、相手方が交互に繰り返す形で期日が行われます。申立人と相手方が同席することはこの途中の期日においてはありません。最後に和解成立の際に全員が同席する可能性があり得ますが、同席をしたくない場合には同席しないことも可能です。このように、調停手続では書面よりも口頭でのやりとりが中心になることから、調停委員のやる気や意識、また各当事者への認識などにより、手続の内容が大きく影響されることになります。個人的な感覚ですが、一般的に女性と男性では女性の方がひいきされる傾向があり、もし一方に代理人として弁護士がついている場合には、弁護士への遠慮からか、弁護士が付いている当事者の方が有利になる(より話を聞いてもらえてその当事者のペースになる)という印象があります。お金はかかりますが、やはり代理人を付けた方が最終的には良い結論に至るのではないかというのが率直な印象です。この事例でも、御依頼者様が代理人が付いた前と後とでは調停員の態度が全く異なったと述べられたことを書きましたが、やはり当事者の方はそれを確かに実感されることが多いようです。最終的には和解の成立を目指して条件をお互いに主張しつつも譲歩もすることで最終的な和解案が作成されることになりますが、最後の結論部分について、いざ訴訟になったらどうなるか、あるいはこちらがどうしても話を聞き入れて欲しいことがあるかなどによって、交渉の結果が大きく左右されることになりますので、その点は意識されると良いと思います。この事例では、相手方がとにかく子供と会いたいのでできるだけ早く面会交流の和解に至りたいと願っていたこともあり、御依頼者様の御要望がほぼ100%聞き入れられる形で和解を成立させることができました。その相手の思いをうまく交渉に反映させることができたわけです。また、訴訟になれば、必ず御依頼者様の希望する結果になることが明らかであるといえるような場合にも、やはり相手方が大きく譲歩することが期待できますので、強気で交渉し、調停においても自らの希望する結論にできるだけもっていくことが可能になるかと思います。もし仮に逆の立場であれば、ある程度の譲歩は覚悟しつつ、できるだけ希望や権利を確保できるように、うまく立ち回ることが求められるということになります。訴訟に至った場合の見込みについては、はっきりとこちらが勝てると分かるようなケースもありますが、そうではない場合も多いと思います。そのあたりは専門家である弁護士に相談をして、その見込みをある程度把握した上で、できるだけ自分に有利に交渉をすることを目指すのがやはり最善の策だと思います。そのようなわけで、調停において弁護士を付ける意義は上に述べたとおり大きいと思いますので、もしどうしようか迷っていらっしゃるようであれば、まず御相談していただければと思います。初回相談60分無料としていますので、その点での心理的なハードルは低いかと思いますので是非御検討ください。