この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
A社は窓用ガラスフィルムの貼付工事をしている会社ですが、工事を完了して工事代を請求しているにもかかわらず、工事発注者が工事代金を支払わない案件がいくつか出てきたため、相談に来られました。
解決への流れ
相談の結果、4社に対して、まずは内容証明で代金請求の通知を送ることとなりました。通知後、2社からはすぐに請求代金全額の入金がありました(合計約45万円)。1社は通知が宛先不明で返送されたことと、代金額も低かったことから(約5万円)、さらなる調査はしないこととなりました。残る1社は、通知後の電話では「支払う」ということでしたが、一向に支払われないので、支払督促を申し立てました(請求額約45万円)。これに対し、相手が督促異議を出したので、支払督促手続は通常訴訟に移行し、その中で、最終的に、満額とはいきませんでしたが、和解が成立しました(35万円)。その後、合意した和解金は、全額入金がありました。
債権回収の事案では、請求権の法的根拠をしっかりと示し、債務者が支払わない場合は法的措置をとってでも回収するという姿勢で臨むことが大切です。その結果、弁護士から内容証明を送るだけで債権を回収できることもあります。この案件でも2件は内容証明の通知のみで債権回収できました。内容証明だけでは任意の回収ができない場合でも、支払督促、訴訟等の適切な法的措置を取ることで、実際の回収につながる可能性が高くなります。