この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
相談者の方は,配偶者の方が亡くなられた方でした。相続人の方の中に,法事とかで会ったことがあるので,多分生きていることはわかるけれども,今どこにいるのか全く手がかりもない,どうしたらいいかわからないとのご相談でした。そこでとりあえず相続人探しとしてのご依頼として,調査受任から始めました。
解決への流れ
とりあえず戸籍等をたどって連絡先を明らかにして,おそらくここに住んでいるのではないかという場所を見つけたのですが,手紙を出しても届きませんでした。しかし,連絡のついた他の相続人の方から,おそらく連絡がつくであろう連絡先の情報提供をいただいたので,その連絡先から連絡をつけることが出来ました。実際にその方と連絡をしたところ,ゆえあって住民票上の住所にはいないとのことでした。連絡先が判明したことについてご報告いたしましたところ,その後,遺産分割協議についてもご依頼をいただきましたので,当職代理で遺産分割協議も行いました。
これもかなりよくあるケースの一つです。相続人の連絡先がわからないというケースは珍しくありません。その場合,戸籍等をたどることになるのですが,それでもわからないことが時々あります。弁護士としての調査能力では,戸籍をたどってわからない場合にはそれ以上の調査は難しいです。もっとも,そのような場合でも,他の相続人の方から断片的にでも情報提供をいただいて,連絡を取れるようにすることが可能な場合があり,今回はその例でした。なお,興信所等を依頼する方法もなくはありませんが,どこら辺にいる可能性が高いかという手がかりもないと,費用がかなりかかると思われます。連絡先がわからなかった相続人の方は,住民票上の住所には住んでいらっしゃらないとのことで,不動産の名義変更や預貯金の遺産分割の際に支障が出る可能性がありましたが,詳しくお話をお聞きしてなんとか解決にこぎつけました。遺産分割協議及びその後の遺産分割をしようとすれば,他の相続人の方にも協力をしていただく部分が出てきます。もちろん当職は依頼者の方の代理人ではあるのですが,から,他の相続人との間でももある程度以上の信頼関係を築かなければ,円満な解決はできないと考えております。当職としては,もちろん争う必要がある場合には争いますが,親族の問題なのですから,弁護士が入ったからといって無用な争いを生み出すことなく,円満に解決できる場合にはそのようにすることを目指しています。