10712.jpg
「エア出勤」バレた無職夫…激怒の妻が突きつけた「離婚宣告」…受け入れるしかない?
2024年07月20日 08時30分
#就活 #離婚 #エア出勤 #退職

「エア出勤」という言葉をご存知でしょうか。仕事を辞めたことを家族に言い出せないまま、出勤を装って外出する行為のことを呼ぶそうです。

次の仕事が決まらないまま勢いで無職になったり、就職活動する意思もないような場合は、家族から咎められるケースもあるでしょう。

しかし、どうしても告げられない状態がずるずると続くこともあるようです。

ネットやSNSには、エア出勤の当事者が、公園や喫茶店などで時間を潰してから自宅に帰るむなしさを「つらい」と吐き出す投稿も見られます。

一方で、エア出勤していたことがバレた夫から「給料がなくなった」と伝えられた妻が、離婚を本気で考えているとつづるブログ記事も存在しています。

「エア出勤」に気づいた場合、配偶者は離婚できるのでしょうか。河内良弁護士に聞きました。

「エア出勤」という言葉をご存知でしょうか。仕事を辞めたことを家族に言い出せないまま、出勤を装って外出する行為のことを呼ぶそうです。

次の仕事が決まらないまま勢いで無職になったり、就職活動する意思もないような場合は、家族から咎められるケースもあるでしょう。

しかし、どうしても告げられない状態がずるずると続くこともあるようです。

ネットやSNSには、エア出勤の当事者が、公園や喫茶店などで時間を潰してから自宅に帰るむなしさを「つらい」と吐き出す投稿も見られます。

一方で、エア出勤していたことがバレた夫から「給料がなくなった」と伝えられた妻が、離婚を本気で考えているとつづるブログ記事も存在しています。

「エア出勤」に気づいた場合、配偶者は離婚できるのでしょうか。河内良弁護士に聞きました。

●エア出勤がバレただけでは離婚事由になり得ない

——片方の配偶者が無職になって「エア出勤」していたことが発覚した場合、もう片方の配偶者は離婚できるのでしょうか。

離婚事由を定めた民法770条1項各号には、「エア出勤が離婚事由になる」と読み取れる直接的な文言はありません。

したがって、一般規定たる民法770条1項5号(改正後の4号)「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するかという問題になります。

たとえ「エア出勤」していたとしても、何らかの形でお金を稼ぎ、家族を経済的危機に陥らせることがないのであれば、この事由に該当しないことは明らかです。

逆に、稼得能力(収入を得る力)を失って家族に経済的危機をもたらすことがあれば、夫婦間における相互扶助義務(民法752条)や婚姻費用分担義務(民法760条)を怠ったものとして、この事由に該当する可能性はあります。

画像タイトル shimi / PIXTA(ピクスタ)

配偶者の転職や退職は夫婦それぞれにとって重要な出来事とは言えますが、それを相手に伝えないだけで、離婚事由になるとまでは言えません

ただし、あまりにも無職期間(=エア出勤期間)が長期にわたり、家族の知らない間に家計の危機を迎えていたとすれば、事由に該当すると言えるでしょう。

仮にエア出勤が1カ月程度で済み、その後、仕事を得たのであれば、離婚事由にはあたらないと思われます。いずれの期間の例も、長短、極端なものですので、具体的にどの程度の期間が離婚事由に該当するかは、事例判断であると思われます

要するに、「エア出勤」が問題なのではなく、稼得能力の喪失や減少が問題であるということです。

ただ、夫婦間の相互扶助義務や婚姻費用分担義務は、一方の配偶者だけが負うものではありません。個々の事案ごとに、他にも問題があることも想定されるので、「エア出勤」の一事をもって即断できるものではなく、いずれにせよ、弁護士に相談のうえ、調停等の手続きを踏むことになろうかと考えられます。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る