住居侵入、暴力行為等処罰に関する法律違反等 昭和47年12月20日
昭和45(あ)1700
住居侵入、暴力行為等処罰に関する法律違反等
昭和47年12月20日
最高裁判所大法廷
判決
破棄自判
刑集 第26巻10号631頁
名古屋高等裁判所
昭和45年7月16日
一 憲法三七条一項の迅速な裁判の保障条項の趣意 二 迅速な裁判の保障条項に反する事態に至つているか否かの判断基準 三 迅速な裁判の保障条項に反する事態が生じた場合の事件処理の方途
一 憲法三七条一項は、単に迅速な裁判を一般的に保障するために必要な立法上および司法行政上の措置をとるべきことを要請するにとどまらず、さらに個々の刑事事件について、現実に右の保障に明らかに反し、審理の著しい遅延の結果、迅速な裁判をうける被告人の権利が害せられたと認められる異常な事態が生じた場合には、その審理を打ち切るという非常救済手段がとられるべきことをも認めている趣旨の規定である。 二 具体的刑事事件における審理の遅延が迅速な裁判の保障条項に反する事態に至つているか否かは、遅延の期間のみによつて一律に判断されるべきではなく、遅延の原因と理由などを勘案して、その遅延がやむをえないものと認められないかどうか、これにより右の保障条項がまもろうとしている諸利益がどの程度実際に害せられているかなど諸般の情況を総合的に判断して決せられなければならず、事件が複雑なために、結果として審理に長年月を要した場合はもちろん、被告人の逃亡、出廷拒否または審理引延しなど遅延の主たる原因が被告人側にあつた場合には、たとえその審理に長年月を要したとしても、迅速な裁判をうける被告人の権利が侵害されたということはできない。 三 刑事事件が裁判所に係属している間に、迅速な裁判の保障条項に反する事態が生じた場合においては、判決で免訴の言渡をするのが相当である。
憲法37条1項,刑訴法337条